JR玉造駅から徒歩約1分。大阪市東成区の「たまつくりクリニック」です。日曜診療も行っております。内科・皮膚科の専門医師(女性医師)による2診体制。内科は循環器内科として生活習慣病、心疾患を専門に総合診療にも力を入れ、皮膚科は一般・アレルギー・漢方・美容と幅広く取り組みます。

AGA(男性型脱毛症)・FAGA/FPHL(女性型脱毛症)

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AGA(男性型脱毛症)とは?

AGA(男性型脱毛症)

AGAは「男性型脱毛症」とも呼ばれ、その名前はandrogenetic alopecia(アンドロゲンによる遺伝性脱毛症)の頭文字に由来します。

この疾患は、主に成人男性に見られる進行性の頭髪脱毛症状を指します。日本の男性の中で約3人に1人がこの症状を経験すると言われ、特に額の生え際の後退や頭頂部の髪の薄毛が特徴です。

AGAは進行性の症状であり、放置すれば髪の薄さは進行し続けます。そのため、早めの治療が重要です。治療を中断すると、AGAの進行が再び始まるため、持続的なケアが必要です。

AGAの典型的な自覚症状には、朝に枕に髪の毛が多く残ること、洗髪、ブラッシング、ドライヤーの際に抜け毛が増えること、頭頂部や額の髪が細くなり、地肌が見えるようになることなどがあります。

◎AGA(男性型脱毛症)の進行パターン

AGAにはいくつかの進行パターンがあります。主なものには次のようなタイプがあります。

  • 頭頂部から髪が抜けるO字型パターン
    (アジア人は欧米人に比べてO字タイプの割合が比較的高いと言われています。)
  • 額の生え際から始まるM字型パターン
  • 前頭部から後退するU字型パターン

AGAの進行パターンは個人によって異なり、遺伝的要因やホルモンの影響などが関与しています。AGAに対する治療方法は複数存在し、医師との相談を通じて最適な治療プランを立てることが大切です。

FAGA/FPHL(女性型脱毛症)とは?

FAGA/FPHL(女性型脱毛症)

FAGA/FPHLは、「female AGA/female pattern hair loss」の頭文字を取ったものです。
男性型脱毛症を指す「AGA」は広く知られていますが、女性型脱毛症に関しては、男性ホルモンであるアンドロゲンに由来する脱毛症である「AGA」の用語がしばしば混同されるため、国際的には「FPHL」(female pattern hair loss)という用語が一般的に使用されています。

FAGA/FPHLでは、男性型脱毛症と異なり、頭頂部の広い範囲で髪の薄毛が見られることがあります。この疾患は、ルードヴィヒ(Ludwig)分類として分類され、脱毛の進行度合いに基づいて評価されます。

●FAGA/FPHL(女性型脱毛症)の治療を開始する前に

治療を開始する前に、当院では女性型脱毛症の患者様に対して血液検査を行い、基礎的な疾患の有無を確認しています。例えば、膠原病や甲状腺機能の異常がある場合は、適切な医療機関へのご紹介を行っています。異常がない場合は、FAGA/FPHLとして適切な治療を開始します。

目次
   

AGA、FAGA/FPHLの原因

◎AGA(男性型脱毛症)の原因

AGA(男性型脱毛症)の原因は、いくつかの要因が関与していると考えられていますが、特に男性ホルモンのバランスが大きな影響を与えているとされています。

髪の成長:毛周期(ヘアサイクル)

髪の成長は毛周期(ヘアサイクル)に従って進行し、通常は成長期、退行期、休止期、脱毛期という段階を繰り返します。健康な頭皮からは1日に約50~150本の髪が生えており、毛周期は男性では3~5年、女性では4~6年と言われています。

成長期

髪が活発に成長する段階で、通常は全体の85~90%の髪がこの期間にあります。毛母細胞が分裂・増殖し、髪は成長を続けます。

退行期

毛母細胞に送られる栄養が減少し、毛の成長が遅くなります。髪全体の1%程度がこの期間にあります。

休止期

毛母細胞と毛乳頭の活動が休止状態で、新しい髪の成長が始まります。髪全体の10~20%程度がこの期間にあります。

ヘアサイクルが乱れると、髪が成長する途中で抜け始め、細くて短い髪しか残らなくなります。
この乱れの原因の一つが、男性ホルモンであるテストステロンです。テストステロンは頭皮に存在する5αリダクターゼという酵素と結合し、ジヒドロテストステロンに変換されます。

ジヒドロテストステロンが毛乳頭の男性ホルモン受容体に影響を与え、髪の成長を阻害する指令を発します。このプロセスは自然に制御することが難しいため、AGA治療においてはジヒドロテストステロンの生成を抑制するアプローチが取られます。

◎FAGA/FPHL(女性型脱毛症)の原因

FAGA/FPHL(女性型脱毛症)の原因についてはまだ十分に解明されていない部分もありますが、以下の要因が関連していると考えられています。

◎加齢 ◎遺伝的要因(家族歴) ◎ストレスや疲労 ◎喫煙 ◎ダイエット

これらの要因が女性型脱毛症の発症に寄与する可能性があります。

AGA、FAGA/FPHLの診断

◎AGA(男性型脱毛症)の診断

AGA(男性型脱毛症)の診断は、医師による詳細な診察と情報収集に基づいて行われます。
以下はその一般的な診断プロセスです。

問診

患者の家族歴、脱毛の経過、症状の始まりや進行状況などについての詳細な質問が行われます。これにより、症状の特徴や原因に関する情報が収集されます。

視診

医師は頭皮を詳しく視察し、額の生え際、頭頂部、前頭部の毛髪の太さや長さ、薄毛の進行度合いを確認します。

ダーモスコピー検査

専用の拡大鏡を使用して、頭皮の状態を詳細に観察します。これにより、毛髪や頭皮の微細な変化が可視化され、診断に役立ちます。

◎FAGA/FPHL(女性型脱毛症)の診断

FAGA/FPHL(女性型脱毛症)の診断については、以下の情報が提供されています。

女性型脱毛症は、エストロゲン(女性ホルモン)の分泌が低下または働きが減少することによって引き起こされることがあります。この疾患は、頭髪全体が均一に細く薄くなる特徴があります。女性の薄毛はデリケートな問題であるため、治療に踏み出すことが難しい場合もありますが、適切な医療ケアを受けることでFAGA/FPHLの改善が可能です。

AGA(男性型脱毛症)の治療

AGAの治療は一般的に保険が適用されず、すべて自己負担が必要です。主な治療法には外用薬と内服薬があり、場合によっては注射や光線療法が検討されることもあります。

◎外用薬

ミノキシジルは市販されている外用薬の一つです。この薬は、血流改善などの作用により、髪の発育と成長を促進します。これにより、髪がより健康な状態で成長しやすくなります。プロペシアやザガーロなどの治療薬と併用することも可能ですが、血管拡張作用があるため、高血圧や狭心症などの疾患を持つ方は使用に注意が必要です。

◎内服薬(※男性のみ)

男性向けの内服薬として、ザガーロがあります。ザガーロにはデュタステリドという有効成分が含まれており、これがジヒドロテストステロンの生成を抑制する効果があり、ヘアサイクルの正常化と改善が期待されます。初期に一時的な抜け毛が増えることがあるものの、正常化するので通常は問題ありません。ザガーロを服用する場合は、医師の指示に従ってください。

別の選択肢として、プロペシアも内服薬として利用されます。プロペシアに含まれる有効成分はフィナステリドで、デュタステリドと同様にジヒドロテストステロンの生成を抑制します。一般的にはザガーロよりも治療効果は低いとされていますが、副作用のリスクは低いという報告もあります。

治療にかかる費用は様々で、ザガーロやデュタステリド(ジェネリック)、プロペシア、フィナステリド(ジェネリック)など、選択した薬剤によって異なります。

これらの薬物は、男性ホルモンであるジヒドロテストステロンの産生を抑制し、ヘアサイクルを正常に近づけることで発毛を促進します。テストステロンをジヒドロテストステロンに変換する1型、2型の5α還元酵素をともに阻害するのがデュタステリド、2型のみ阻害するのがフィナステリドである。ただし、副作用として肝機能障害や黄疸が現れることがあるほか、男性の性機能に影響を及ぼす可能性もあります。したがって、これらの薬物を使用する前に、医師との相談が必要です。

◎注射療法

再生美容療法であるPRP(Platelet Rich Plasma/自己多血小板血漿)療法
ヘアフィラー(ペプチド成分およびペプチドたんぱく質を頭皮に注入することで、発毛の促進と抜け毛の抑制などの効果を発揮する毛髪再生医療のひとつ)があります。

AGA(男性型脱毛症)の予防や注意事項

AGA(男性型脱毛症)医師に相談

AGAは遺伝的要因が大きく影響する疾患ですので、診療の際には血縁者に薄毛の症状があるかを医師にお伝えいただくことが大切です。この情報は適切な治療法の選択に役立ちます。

一般的に、生活習慣の改善、市販の薬品、マッサージなどは、抜け毛の進行を遅らせる助けにはなり得ますが、効果的な治療とはいえません。AGAの治療においては、医師が処方する薬物や注射などがより効果的です。

最近、AGA治療薬が個人輸入の通信販売などで入手しやすくなっていますが、偽造品や個々の体質に合わない薬を使用することで健康被害を被るケースが増えています。AGA治療薬は保険の対象外であり、万が一健康への影響があった場合でも補償が受けられません。

安全で適切なAGA治療を受けるためには、必ず医師にご相談いただくことが重要です。自己判断や個人輸入に頼るのではなく、専門家の指導を受けながら治療方針を決定しましょう。

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