肝 斑
肝斑とは、頬骨の周辺や額などに左右対称で地図状にあらわれるしみの一種です。
眼のふちや髪の生え際を避けて分布します。
30~40代の女性に多く、10代、60代以降の発症はほとんどありません。
肝斑の原因・治療について
肝斑の病態は、慢性過刺激(こすりすぎ)によるバリア破壊と色素沈着だといわれています。つまり、こすりすぎで肌がすり減っている状態です。
→「こすらない」ことが最大の治療です。
まずは、毎日のスキンケア(洗顔、保湿、お化粧、マッサージなど)で顔をこすっていないか、振り返ってもらいます。そして、できるだけこすらないことをお伝えします。
「こすらない」という保存的治療だけでも、肝斑はかなり改善していきます。
また、肝斑は妊娠や経口避妊薬の服用をきっかけにできることもあり、女性ホルモンとのかかわりも指摘されています。その他、精神的なストレスによってホルモンバランスがくずれることが影響する場合もあります。
◎その他の治療
トラネキサム酸内服
トラネキサム酸は、肝斑(かんぱん)の改善薬としての効果が認められている成分です。もともとは抗炎症薬や止血剤として使われてきた薬ですが、肝斑の改善にも効果があることが発見されました。トラネキサム酸の内服薬は、メラニンをつくり出すメラノサイトに信号を送る「メラノサイト活性化因子」のはたらきを抑え、肝斑の生成を抑制します。
以下の治療を併用するとより効果的と言われています。
・ビタミンC内服
・L-システイン内服
・ハイドロキノン(美白外用剤)外用
・イオン導入(ビタミンC、アミノ酸)